
緑鮮やかな夏の緑黄色野菜「オクラ」
コリっとした独特の歯ごたえと、ネバネバのぬめりが特徴的なオクラ。緑鮮やかな夏の緑黄色野菜のひとつです。夏バテ予防にもよいとされ、私たちの夏の食卓には欠かせないオクラですが、なんと2000年以上も前から栽培されてきた、縁の深い野菜でもあるのです。もともとは、ふんわりとした大きな花を観賞用として栽培、食用とされ始めたのは第二次世界大戦後だそう。
オクラの美味しさの秘密は独特のぬめり

そんなオクラの美味しさの秘密は、やっぱり独特の「ぬめり」でしょう。この「ぬめり」こそがオクラを代表する栄養成分「ムチン」。このムチン、一体どのような働きを持っているのでしょうか?
ムチンはもともと人の体の中にある成分のひとつで、タンパク質と糖類が結合したもの、唾液や涙、胃液等に含まれています。とても保水力が高いのが特徴で、目の表面を潤しドライアイを防いだり、また鼻や喉の粘膜を乾燥から守ることにより、ウィルスの侵入を防いでくれています。
また、胃の粘膜保護の作用もあるので、胃痛胃炎はもちろん胃潰瘍の予防や、うっかり傷付いてしまった胃粘膜の修復もしてくれているのです。また保護や予防だけでなく、たんぱく質の体内への吸収を手助けし、反対にコレステロールの吸収を抑えてくれる効果も。消化を助けてくれる作用もあるので、暑い夏の時期にはぴったりの食材と言えるでしょう。
またその他にも、βカロチン、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄、食物繊維も豊富に含んでいるオクラは、夏の間、冷蔵庫に常備しておきたい野菜のひとつであることは間違いないでしょう。
美味しいオクラの選び方
最後に、美味しいオクラの選び方をご紹介します。
まず、緑色が濃く鮮やかなものを選びましょう。新鮮なものは、表面を白い産毛でびっしりと覆われ、触るとちくちくするものも。また切り口の断面もチェック!切り口がシャキっとしているものが新しく、しなびていたり、黒ずんでいるものは収穫から時間が経っている証拠なので避けましょう。オクラは育ち過ぎてしまうと固くなり味が落ちてしまうので、あまり大き過ぎないものを選ぶのもポイントです。
また、低温に弱いので、冷蔵庫で冷やしすぎないように注意が必要です。新聞紙や紙袋に入れ、野菜室の直接冷気が当たらない場所で保存します。鮮度が落ちやすいので、使い切れない場合は表面を軽く塩揉みしてから、冷凍保存をおすすめします。
