暑い時期は体を涼しくしてくれる食べものを
店頭に並ぶ色とりどりの野菜。野菜には、収穫される季節に応じて、体の余分な水分の排出を手助けしたり、体を温めてくれる作用など、さまざまな効果があります。体を冷やしてくれる茄子もその例外ではありません。暑い時期に体を涼しくしてくれる食べものを摂ることは、暑く蒸し暑い時期を心地よく過ごすための知恵のひとつ、このような知恵を元に、私たちは自然や植物を味方に心地よく暮らしてきたのだともいえます。
「秋茄子は嫁に食わすな」の意味とは?
茄子といえば、こんなことわざもありますね。
「秋茄子は嫁に食わすな」
これは美味しい秋茄子をお嫁さんに食べさせたくない!という意味ではなく、これから子供を授かるお嫁さんの体を冷やし過ぎないようにと、お嫁さんの体を気遣っての言葉なのです。
また、茄子の実は種が少ないので、種が少ない茄子を食べると子宝に恵まれなくなると説もあり、いずれにせよ、思い遣りで食べさせないというのが正しいようですね。しかし美味しいだけでなく、高血圧やのぼせ症はもちろん、皮にたっぷりと含まれるポリフェノールの抗酸化作用が癌予防に効果的ともいわれている茄子を食べないのはもったいない!体を冷や過ぎず、茄子を美味しくいただくためにはどうすればいいのでしょうか?
茄子を美味しく食べるコツ
まずは、きちんと火を通して食べること。
次に、体を温める効果が高い食材や調味料と一緒に食べること。
この二つの点に気を付けて調理するようにすれば、体を冷やし過ぎることなく美味しく茄子をいただくことができます。
具体的に茄子の献立をみてみましょう。例えば、麻婆茄子。中華料理の定番であり、家庭でも簡単に作ることが出来る献立のひとつですが、温め食材である生姜やニンニク、ネギ、唐辛子をたっぷりと使います。これらは主に薬味やスパイスとして食べられることが多い食材ですが、体内の血の巡りを促進し体を温めてくれる作用を持っています。体を冷やし過ぎないためには、このような温め食材を効果的に使うのがポイントです。焼き茄子やお浸しなどあっさりとした献立にも、薬味として温め食材をたっぷり添えると冷やし過ぎを予防し、料理の風味もアップ。まさに一石二鳥なのです。
また茄子には、焼く・煮る・揚げる、あらゆる方法で調理することができ、和洋中のジャンルを問わず、いろんな食材とも相性がよいというメリットも。今年はぜひ初夏~晩秋までの間、たっぷりの薬味とともに、茄子をぞんぶんに楽しんでみてはいかがでしょうか?