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茄子の名産地で「大阪なす」に出会う

茄子という名前の由来

暑さが日に日にまし、日差しが眩しく夏の気配を感じるようになりました。
みなさんが思い浮かぶ夏野菜を言えば何でしょうか。きゅうり、とうもろこし、ピーマン、ゴーヤ、かぼちゃ…たくさんありますが、わたしが真っ先に思い浮かぶのが「なす」です。茄子はきゅうりと並び、日本には奈良時代に中国から伝わり、古くから日本人に親しまれた野菜のひとつです。夏に食べる実という「なつみ」が転じて「なすび」と呼ばれ、その名残が今でも地域によって残っています。

大阪なす大阪茄子

茄子の名産地で作られる「大阪なす」

特に関西ではスーパーの値札などにも「なすび」と表記されており、都が存在していた京都、大阪、奈良はなすの名産地です。京都、奈良では丸なすが伝統野菜として知られており、大阪では丸なすはほとんど作られず、「千両なす」といういわゆる普通のなすが「大阪なす」という名前で親しまれています。

大阪なすは大阪市の南側に位置する南河内地区で作られています。収穫時期は3~6月、実は真夏前に旬が終わるのです。南河内地区では戦後、なすの促成栽培に力を入れてきました。一般的になすは露地栽培なら7~8月に旬の盛りを迎える地域が多いですが、その時期の南河内地区では日差しが強く、蒸し暑い時期であるため、なすの皮と身が締まり、堅いなすが出来上がってしまいます。

大阪なすの特徴は皮と実が柔らかく大ぶりなこと

大阪なすの田舎煮

農家の方々は代々受け継がれてきた技術をいかし、11月から苗を植え、独自の栽培方法で「大阪なす」を育てます。大阪なすの特徴は何と言っても、皮と実が柔らかく大ぶりであること。3~4月に出回る他の産地のなすと比較すると随分違うことがわかります。ヘタとガクを切り取り、濃いめの煮汁で丸ごと煮込む「なすの田舎煮」は大阪の庶民の味です。焼きなすにして、めんつゆに浸して冷やして食べるものおすすめです。

大阪にお住いの方はもちろん、大阪に訪れた際は是非なす料理をお試しください。粉もんだけでなく、大阪にも美味しい野菜が名物として充実していることを、なすをきっかけに知っていただけたらと思います。

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